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デザイナーに聞く日産「アリアNISMO」のデザインキーワードは? こだわりの「赤」に象徴される「アルテリア・マグマ」とは

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TEXT: 山崎真一(YAMAZAKI Shinichi)  PHOTO: 山崎真一(YAMAZAKI Shinichi)

インテリアにもこだわりあり!

アリアNISMOの専用リアスポイラーは、ドラッグの低減のため中央に穴が空けられた基準車のルーフスポイラーから(加えてボディサイドからも)流れ込む空気を拾い上げ、よりダウンフォースを得るために設定している。

「当初はもっと大型だったのですが、基準車のパワーゲートアクチュエーターでは上まで持ち上げることができず、やり直しに。コンビネーションランプ付近まで被せていたデザインを切り上げたり、全体をコンパクト化したりと苦労はありましたが、完成したデザインを見ると突き詰められた美しさがあり、これはこれでありだなと思っています」

リア

ホイールはENKEIと共同開発し、イメージはモーターの鉄芯。外周部がフラットな形状で、中央部が細身の2×5スポークというコンビデザインは、空気抵抗の低減と排熱&ダウンフォース、そしてホイールの回転トルクを効率よく受け止めることなど性能を突き詰めた結果生まれたものだ。また、リム幅は基準車より0.5J太いが、ENKEI独自のMATプロセス工法により、重量をほぼ同等に抑えるなど、アリアNISMOの性能を引き出す設計となっている。

アリアNISMOのエクステリアデザインは迫力のあるフォルムと制約のある中で開発陣が研ぎ澄ませた洗練が融合。基準車の彫刻的な美しさを持つ造形を見事にプレミアムスポーティな雰囲気へと昇華させている。

インテリアの基本的な作り込みは開発当初、エクステリア同様、冒頭に記載した悩みがあったという。だが、オーラでダッシュボード周辺を含めて大胆に刷新し、マチュアな(円熟した)スポーツカーなテイストを盛り込んだところオリジナルとは異なる世界観が演出できたため、その経験が今回のベースとなっている。

基準車のブラック内装をベースとして、ダッシュボード/ドアトリムの上部などにGT-R NISMO同様のブラック・アルカンターラレザーを採用。ウッドフィニッシャーもブラックとするなど装飾を抑え、質の高い黒を基調とした空間を構築。そこに赤いアクセントを添えるのがNISMOロードカーのお約束だが、今回はこれに新たなデザインキーワードである「アルテリア・マグマ」という演出も加わる。

具体的には基準車の柔らかなホワイトからスパイシーな赤へと変更となったセンタコンソール下と左右のドアトリムのイルミネーション、スエード調表皮のパーフォレーションから赤が覗く専用スポーツシートなどが「内に秘めた熱いマグマ=内面の強さ」を表現。ただし、ドアトリムのイルミネーションの色温度は調整を繰り返し、アルカンターラ部分に走る2本のステッチは上側のみを赤(下はグレー)として派手さを抑えるなど、フラッグシップにふさわしい大人のインテリアに仕上げられている。

* * *

アリアNISMOはこれまでのNISMOロードカーの流れは踏襲しつつも、レーシングカーを想起させるリアルスポーツデザインではなく、新たなNISMOロードカーの流れとなるプレミアム路線を打ち出した第1号と言えるだろう。今後の本格的な電動化時代を見据えた戦略であることは明らかだが、このスタイルが認知されれば、あらゆるクルマがNISMOロードカーとして成立する。そうした意味で、アリアNISMOの成否は今後の流れを大きく左右しそうだ。

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