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「1代限りの個性派コンパクトカー5選」トヨタ「イスト」やダイハツ「ストーリア」など「ふた昔前」のクルマに注目です【カタログは語る】

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)

トヨタ イスト:早すぎたSUVタイプのコンパクト

2002年に登場したトヨタ「イスト(ist)」は、「ヴィッツ」をベースに誕生。同世代のクルマに同じ出自で多目的車の「ファンカーゴ」があったのに対して、イストは「早すぎたSUVタイプのバリエーション」だったというべきか。

特徴は1535mm(または1530mm)と全高を高くし、15インチ大径タイヤを組み合わせた、いかにも使えそうなクルマとなっていたのが特徴。4WD車(とFFの1.3L車)は最低地上高も175mmとあり、決して見掛け倒しではない機動性ももっていた。

あくまで個人的な見解だが、後ろ姿が文福茶釜のようにも見えた親しみの持てるシンプルなスタイル、レンジローバーやR50「ミニ」のように2本のピラーを立てたセンターコンソールをアクセントにしたインテリアなど、さり気なく気持ちのいいデザインの内装なども特徴だった。最長320分の再生にも対応したMDデッキ内蔵のMD、CD、AM/FMマルチ電子チューナー一体2DINオーディオも今では懐かしい。

三菱コルト:スマート フォーフォーとプラットフォームを共有

リトマス試験紙のようだが、三菱「コルト」と聞いて600、800、1000など1960年代のコルトの車名と姿を連想する人は、クルマ好きの人生をかなり長くやってきた人ということになる。一方で「新しい方のコルト」は、同じ車名をリバイバルさせて2002年に登場したクルマ。

といっても登場から早いもので20年以上が経っているから、10年をひと昔とすればもう、ふた昔前のクルマということになる。ふた昔を感じさせるのは、このクルマがかつて三菱と当時のダイムラー・クライスラーが協業していた時期があり、その頃に共同開発されたプラットフォームをもとに生まれたということも。この時にダイムラー・クライスラーから誕生したのがスマートの「フォーフォー」である。

スタイルは当時の三菱に在籍したオリビエ・ブーレイデザイン本部長の手になるもの。ワンモーション的に作られたボディはそれなりに斬新。インテリアも空間重視で後席には150mmのスライド機構も備わった。ラリーアート仕様や、リアオーバーハングを伸ばして(2500mmのホイールベースは変わらず)荷室を広げた「コルトプラス」などもあった。

トヨタiQ:欧州市場を意識したAセグメントのマイクロカー

2007年のフランクフルトショー(と東京モーターショー)にコンセプトカーを出品。2008年のジュネーブショーで量産型が登場、同年のパリサロンで正式デビューを果たした。こうした流れだけでもこのトヨタ「iQ」がいかに欧州市場を重視していたかがわかるが、2007年には2代目が登場したスマートとともに、盛り上がるか!? と思われたマイクロカー市場に投入されたクルマだった。

特徴は何といっても3mを切る2985mmの全長に対して1680mmの全幅を組み合わせ、それをクルマとして成立させたユニークなパッケージングだった。ホイールベースも2mの短さで、前後オーバーハングも極限まで切り詰められていた。最小回転半径は3.9mの小ささで、これについでは登場時のプレス向け試乗会で、スマートより小さいことをアピールするデモが行われていたほど。

そして驚くべきは+2の4名乗車を可能にしていた点。ガソリンタンクは薄型にし床下へ、後席背後には世界初だったリアウインドウカーテンシールドエアバッグを備えた。エンジンは3気筒996cc、駆動方式はFF、普通であれば割り切りそうな静粛性への配慮などもされた、いかにもトヨタらしいマイクロカーだった。

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  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 1958年生まれ。大学卒業後、編集制作会社を経てフリーランスに。クルマをメインに、写真、(カー)オーディオなど、趣味と仕事の境目のないスタンスをとりながら今日に。デザイン領域も関心の対象。それと3代目になる柴犬の飼育もライフワーク。AMWでは、幼少の頃から集めて、捨てられずにとっておいたカタログ(=古い家のときに蔵の床が抜けた)をご紹介する「カタログは語る」などを担当。日本ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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