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日本未導入のアキュラ「インテグラ タイプS」と「シビック タイプR」を北米で乗り比べ!「好印象のタイプSと想像通りのタイプR」の真意とは?

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了(HARADA Ryo)

  • アキュラ インテグラ タイプS:アンダーグリルの目が粗く、インタークーラーがはっきり見えることで「凄み」がより 強調された感のあるインテグラのタイプS
  • アキュラ インテグラ タイプS:機内預けのラージサイズと機内持ち込みサイズ、2種類のスーツケースと500ccのミネラルウォーター24本を吞み込んだインテグラのカーゴスぺ-ス
  • アキュラ インテグラ タイプS:写真では分かりづらいが、ホイールハウスの後部には少しスペースがあり、シューズバッグくらいなら十分に放り込むことが可能
  • アキュラ インテグラ タイプS:インテグラのトノカバーはリアのゲートに取り付けられている。シビックのサイドロール式と同様に、ライバルにはあまり見られないスタイルだ
  • アキュラ インテグラ タイプS:リアのゲートを開けた時だけでなく、閉じた時でもこのようにスッキリ映るインテグラのトノカバー
  • アキュラ インテグラ タイプS:シビックのタイプRと同じくK20C型を搭載するが、最高出力はシビック315ps(国内仕 様は330ps)に対してインテグラのタイプSは320psとなっている
  • アキュラ インテグラ タイプS:K20C型は2L直4ツインカムの直噴ターボを採用。これはSUPER GTやスーパーフォーミュラで使用されているNREと同じパッケージングとなっている
  • アキュラ インテグラ タイプS:いかにも剛性を「高めた感」のあるストラットタワー頭頂部や、遮熱対策(おそらくは)としてバッテリーをフルカバーしていたり、とかなり手の込んでいるインテグラ タイプSのエンジンルーム
  • アキュラ インテグラ タイプS:フロントウインドウに表示される文字サイズ自体はそれほど大きくはないのだが、十分に効果を発揮してくれたヘッドアップディスプレイ
  • アキュラ インテグラ タイプS:フロントウインドウに表示される文字サイズ自体はそれほど大きくはないのだが、十分に効果を発揮してくれたヘッドアップディスプレイ
  • アキュラ インテグラ タイプS:6ライト部分のウインドウグラフィックス・ラインが、少し破綻している感のあるシビ ックに比べて、よりスムーズなラインでまとめられているインテグラのサイドビュー
  • アキュラ インテグラ タイプS:一部の造形を除けば、シビックとほぼ共通のダッシュボードを採用しているインテグラ。大径の2眼メーターも、シビックのタイプRと同意匠だ
  • アキュラ インテグラ タイプS:センターコンソールのトップ部分に設けられたコンセント類もシビックと共通だ
  • アキュラ インテグラ タイプS:リアシートはシビック タイプRのブラックに対して、インテグラ タイプSはホワイトの表皮が使用されている
  • アキュラ インテグラ タイプS:フロントシートはホワイト&ブラックの2トーン。素材名は聞き漏らしたが、ブラックの部分には滑り止めの効果も感じられた
  • ホンダ シビック タイプR:装着タイヤはミシュランのパイロット・スポーツ4S
  • ホンダ シビック タイプR:サイドステップは、派手目ではあるものの、上質感を持った仕上がりとなっていて好印象
  • ホンダ シビック タイプR:深紅のボディに漆黒のリアウイングという出で立ちは、正直言って勇気のいる印象
  • ホンダ シビック タイプR:タイヤは265/30ZR19 93Yと恐ろしいまでの超扁平。トレッド面は、まるでカットスリックのようでウエット路面ではアクセルを踏む右足に力が入りにくい
  • ホンダ シビック タイプR:ダッシュボード本体下部、センターコンソールのトップにはパワーソケットや、スマホの充電用ソケットや接続用ソケットが備わるが、国内仕様と左右反転しているのが興味深い
  • ホンダ シビック タイプR:リアシートをブラックとし、乗車定員を4人と割り切ってリアシートのクッション中央部分に後席2名分のカップホルダーを設けているのも日米各仕様で共通だ
  • ホンダ シビック タイプR:シート上面が赤でサイド部分が黒と2トーン仕上げのシートは日米各仕様で共通。ダッシュボードセンターのエアコン吹出し口下にあるエアコンの調整スイッチは、使いやすかった
  • ホンダ シビック タイプR:メーターは大径の2眼式で個人的にはこちらの方が好ましいが、7000rpmからレッドゾー ンの回転計はともかく、速度計が200mph(約320km/h)のフルスケールなことには驚かされた
  • ホンダ シビック タイプR:2本のメインパイプとエキゾーストノートを演出するセンターパイプで構成された3連のテールパイプが特徴的なリアビュー
  • ホンダ シビック タイプR:リアフェンダーのボリューム感と、派手なリアウイングで、随分印象が異なるリア・サ イドビュー。深紅のボディに漆黒のウイング。これがまた、目立つのだ
  • ホンダ シビック タイプR:サイドビューの、少なくともサイドからのシルエットでは、ベースモデルと大差はない 。それにしてもシビックの、なんと巨大化したことか
  • ホンダ シビック タイプR:リアのシートバックを前方に倒せば、じつに広々としたカーゴスペースが生み出される。ただしストラットケース下部の補強が災いしたか、フラット感はもうひとつ
  • ホンダ シビック タイプR:カーゴスペース。ラージサイズ(預け荷物最大サイズ)のキャリーケー スも余裕で収まる。ただし2個並べてとなると、ちょっと厳しいか……
  • アキュラ インテグラ タイプS:シビックのタイプRと同様に、インテグラのタイプSも3本のテールパイプが特徴だが、 センターのパイプが両サイドのものより太いシビックに対して、こちらは太いパイプの 3連装となっている
  • ホンダ シビック タイプR:ベースモデルと比べるとサイズアップしたタイヤを収めるためにフェンダーのフレアが拡大し、全高も少しだけ低められているから、このカットでの印象は大きく異なる
  • ホンダ シビック タイプR:ステアリングホイールは黒1色の革巻きでステッチが赤糸、スポーク部分の各種スイッチ・レイアウトも含めて日米各仕様で共通している
  • アキュラ インテグラ タイプS:タコマのルメイ・コレクションを訪ねた際の1カット。約1000kmを週末に往復するなど強行軍にも音を上げることもなく健脚ぶりを発揮してくれた

予想以上に好印象だったインテグラ タイプS

2024年7月末から8月末の1カ月間、米国西半分の博物館を巡る取材旅行に出かけてきた筆者。個々の博物館への探訪記はまた別の機会に譲るとして、まずは取材の足としてアメリカを駆け巡ったクルマの試乗記(旅行記)を2回に分けてお届けします。前編の今回は、ホンダ「シビック タイプR」と、アキュラ・ブランドとなっている「インテグラ タイプS」です。

ほぼ想像通りのシビック タイプR

かつては海外レースを取材するついでに自動車博物館を訪れるのが専らだったが、15年ほど前からは自動車博物館の取材をメインテーマに海外を訪れるようになって久しい。海外レースもヒストリックカーイベントに変わっていった。しかし寄る年波には勝てず、というのか、昔は「父さん大暴走」とサブキャッチをつけて探訪記をしたためていたものが、最近では「爺になっても大暴走」、と揶揄されるように。2024年で打ち止めとすべく、6月から7月にかけてヨーロッパで行き漏らしていた博物館を訪ね、7月末から8月末の1カ月は米国西半分を巡る取材旅行に出かけてきた。

個々の博物館への探訪記は、また別の機会に譲るとして、まずは取材の足としてアメリカを駆け巡ったクルマの試乗記(旅行記)を2回に分けてお届けしたい。前編の今回は、ホンダ「シビック タイプR」と、アキュラ・ブランドとなっている「インテグラ タイプS」。

ロサンゼルス空港には早朝に到着。予約しておいたレンタカーをピックアップしてアメリカン・ホンダ、通称「アメ・ホン」の本社に向かう。レンタカーは起亜(KIA)の「フォルテ」。1.6Lの123psだから、2Lターボで最高出力も2.5倍以上となるシビック タイプRやインテグラ タイプSに対する「物差し」としては物足りないことは仕方ないと思っていたが、実際にはこれがことのほか、よく走った。ハイウェイでも現実的な最高速である時速70マイル(約112km/h)での巡航あたりまでならパフォーマンスやドライバビリティに何の不満もなかった。

さあ、いよいよシビック タイプRとインテグラ タイプSだ。前者は「アメ・ホン」の本社発着の1泊2日のショートドライブで、後者は1週間のロングドライブとなる。シビックは、「アメ・ホン」の広報車がスケジュール的に超多忙とのことで、一時はインプレッションを諦めていたのだけれど、なんとかスケジュールをやり繰りしてもらい、ショートドライブが可能になるという経緯があった。ちなみに、国内未導入のインテグラはもちろんだが、2022年に追加されたタイプRも含めて2021年に登場した現行シビックにも、国内で未試乗だったから、かの地での博物館探訪が初ドライブとなったのだ。

現行の11代目シビックも同タイプRも未試乗だったが、国内の主要レースシリーズを皆勤賞で追いかけていた2010年代の前半まではメーカー各社の広報車をお借りして国内の主要サーキットを訪れていたから、シビックも9代目のFB型あたりまではロングドライブでのインプレッションは経験済み。

タイプRについても3代目あたりまでなら記憶の片隅に残っている。それが正確に引き出せるかどうかは多少自信が薄れていくのだが、それはともかく。シビックは初代モデルをリアルに走り倒していたし、スポーティモデルの初代RSでも学生時代に四国の山道を走り回っていた。だから最近のモデルをドライブした経験はなくても歴代シビックのベースモデルとホットモデル=タイプRの立ち位置は乗る前から十分に想像できた。そしてシビックのタイプRはほぼ想像通りだった。

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