Sシリーズ最新作のS210がOAMに降臨
西日本最大級のモーターイベント「大阪オートメッセ2025(OAM)」が2025年2月7日(金)〜9日(日)にインテックス大阪で開催。チューニングカーやドレスアップ車両など、351社・630台もの多彩なジャンルのクルマが展示されました。そんな中でも、SUBARU/STIブースでは500台限定の「S210」のプロトタイプに人だかりが。開発者のコメントもまじえて詳細を解説します。
レース活動で培った技術とアイデアが注ぎ込まれている
スーパーGTやニュルブルクリンク24時間レースで活躍するSUBARU/STIは6A号館のブースに計4台の車両を展示。そのなかで最大の注目モデルと言えば「S210 プロトタイプ」だ。
文字どおり、STIのコンプリートカー「Sシリーズ」の最新モデルで、「WRX S4 STI スポーツ R EX」をベースに開発。コンセプトは「ニュルブルクリンク24時間レースマシン直系の2ペダルスポーツセダン」で、これまでのレース活動で培った技術とアイデアが注ぎ込まれている。
まず、エンジン面で言えばFA24直噴ターボエンジンをベースに吸気系統ではエアクリーナー、吸気ダクト、ターボ前ダクトを新開発。排気系統では新開発の大口径テールパイプを備えた低背圧パフォーマンスマフラーと砲弾型チャンバーを備えたエキゾーストパイプリアを採用することで吸排気抵抗を低減した。
もちろん、ECUも専用チューニングが施されており、最高出力では開発目標値である300psを達成したほか、リニアなトルクレスポンスを実現。そのほか、電子制御ダンパーとコイルスプリング、新開発のリアスタビライザーブッシュで足まわりが改良されたことでステアリング操舵時の車両応答性が大きく向上したことも同モデルの特徴と言えるだろう。
エクステリアも整流効果の高いスポーツサイドガーニッシュ、ドライカーボンリアスポイラーを装着するなど、実用性とデザイン性の高いエアロダイナミクスを採用することで、独特のフォルムに仕上がっているほか、インテリアにおいてもレカロ製カーボンバックレストフロントシートを採用することで、高いホールド性と快適な乗り心地を実現。
STIの開発副本部長である高津益夫氏はこのようにコメントしてくれた。
「ハンドリングに特化したSTIスポーツ♯と違って、SシリーズであるS210は足まわりやボディだけでなく、エンジンやトランスミッションなど全ての部分でバランスをとったチューニングを行なっているので、まったく違ったクルマに仕上がっています。これまでのSシリーズと比べても労力をかけて開発していますので、楽しんでもらえると思います」
S210は500台限定でこの春に発売される予定となっているだけに、スバルファンにとっては気になる1台となっている。
走りの楽しさから安全性までスバルの魅力を発信
そのほか、SUBARU/STIブースでは、2025年のスーパーGTに向けて開発されたGT300クラス用マシン「SUBARU BRZ GT300 2025」や、「レヴォーグ レイバック リミテッド EX」をベースに本革シートやホイールをブラック化することで、上質感を追求した特別仕様車「レヴォーグ レイバック ブラックセレクション STIパフォーマンス」、「クロストレック プレミアム S:HEV EX」をベースにSTIパーツを装着した「クロストレック ストロングハイブリッド STIパフォーマンス」が展示されるなど多彩なラインナップだ。
また2024年のシーズン途中まで、スーパー耐久のST-Qクラスに参戦していた「Team SDA Engineering BRZ CNF Concept」のミニカーが展示されるほか、ウエア類などさまざまなアイテムが展示販売されていたこともSUBARU/STIブースの魅力と言える。
このほか、屋外展示場ではスバル車両による「プリクラッシュブレーキ体験」や、6C館の「こどもビリティPARK」ではクロストレックのミニカーにペイントしてオリジナルのミニカーを作成できる「ぶつからない!? ミニカーペイント体験」など、体験型イベントも開催されて、ファミリーで楽しめるようになっていた。