ラギット感を高めたEX30クロスカントリーを追加ラインアップ
さて、本稿ではとくに注目すべきEX30 Cross Country Ultra Twin Motor Performance(以下、EX30クロスカントリー)の特徴点と試乗記をお届けすることにしたい。
EX30とEX30クロスカントリーはエクステリアにも大きな違いがある。とくに専用フロントシールドが特徴的で、スウェーデン最高峰の山、ケブネカイセ山の地形をモチーフにしたトボグラフィーパターンが描かれたブラックパネルが装着されている。これだけでもひと目でクロスカントリーモデルであることが識別できるというわけだ。
前後バンパー下にはウェイバーグレーインサートと呼ばれるリップが、リヤにはV70時代から同じ書体のCross Countryのロゴ入り専用ロアバンパーを専用装備。クロスカントリーモデルのお約束と言えるホイールアーチエクステンション(これによって車幅は1850mmになる)やCピラーのCross Countryロゴプレートの追加と合わせ、EX30にタフネスさが与えられている。
19インチのアルミホイールもクロスカントリー専用デザインであり、タイヤは235/50R19サイズのサマータイヤが組み合わされている。

2026年モデルからシート座面を延長して座り心地が向上
インテリアと室内空間は基本的にEX30と大きく異なるところはないものの、クロスカントリーはパインというテーマの自然素材とリサイクル材、バイオ素材のコンビネーション仕立てとなる。リサイクル材から成形された無垢のアルミ材のドアインナーハンドルのデザイン、質感、操作感の素晴らしさもEX30からそのまま受け継がれている。ルーフの多くの部分がガラス張りになるパノラミックルーフ、ハーマンガードンサウンドシステムは標準装備だ。
しかし、以前のEX30は「前席のシート座面が短く座り心地に不満がある」という一部のユーザーの声に応え、2026年モデルはシートの座面長を延ばした。従来モデルより腿が支えられるようになり、自然で良好な座り心地が得られるようになっている。12.3インチのGoogle搭載タブレット型インフォテイメントシステムもアップデート。スナップドラゴンのチップセットの新採用で一段とサクサク動くようになっているのを確認できた。

272psのリヤモーターに156psのフロントモーターを追加
冒頭でEX30のボディサイズが全長4235×全幅1835×全高1550mmと紹介した。しかし、このクロスカントリーはホイールアーチエクステンションによって1850mm、対EX30で全高が15mm高まり1565mmになっている。全高は、サスペンションスプリングを乗り心地向上と悪路走破性を高めるため柔らかくしたクロスカントリー専用サスペンションと専用タイヤによるものと説明されている(最低地上高は20mmアップ)。
2025年モデルまでのEX30は後輪駆動でバッテリー容量69kWh。リアに搭載されるモーターの最高出力は200kW(272ps)、最大トルク343Nm(35.0kgm)だった。
2026年モデルのクロスカントリー(EX30 Twin Motorも)はバッテリー容量69kWh。前述したようにリヤモーターの最高出力と最大トルクは従来モデルと同じだがフロントモーターの115kW(156ps)・200Nm(20.4kgm)が追加され、0-100km/h 3.7秒というハイパフォーマンススポーツカーに匹敵する動力性能を手に入れることになったのだ。
また、完全停止まで行える、オフ、低、高の3段階の切り替えが可能になったワンペダル機能はもちろん、2025年モデルまでのEX30になかったドライブモードを追加。航続距離を伸ばす「レンジ」、「ノーマル」、前後のモーターを常時つなげ最高出力を発揮する「パフォーマンス」が選べるようになったのだ。
また、パワーステアリングはクィックさを感じさせない、転舵操作に対してヨーの立ち上がりを穏やかにした専用セッティングが施されているのもクロスカントリーならでは。このあたりは、EX30シリーズのなかでもっともコンフォータブルな乗り心地と悪路での扱いやすさをバランスさせた、絶妙な設定と言っていいだろう。
EX30の安全装備はフラッグシップのXC90を凌駕する充実ぶり
EX30の2026年モデルでは、ADAS関連のセンサーシステムとして、ASDM(フロントガラス上部の検知ユニット。ミリ波レーダー&高解像度カメラを一体化したもの)、フロントカメラ、リアサイドレーダー、DCM=ドライバーモニタリングカメラ、フロントサイドレーダー、フロントレーダーなどをフル搭載。ドアオープニングアラート、レーンチェンジアシスト、夜間を含む歩行者、サイクリスト検知機能など、ボルボのフラッグシップSUVのXC90より進んだ内容が備わっているからもう、万全である。












































































