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自社で製造するミニバンで挑むラリー参戦!トヨタ車体TEAM NOAHの3年目の挑戦

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TEXT: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)  PHOTO: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)

チーム初のリタイア……それでも前へ

大会前夜に降った豪雨により、事前走行(レッキ)時とは路面状況が一変。クラッシュも相次ぎ、予定されていた4本のSS(スペシャルステージ)のうち、2本がキャンセルとなる荒れた展開となりました。

高井/伊藤組のヴィッツはSS3のフィニッシュ直前でコースアウトし、大きな岩に乗り上げてストップ。チームとしては初のリタイアという悔しい結果に終わりました。

一方、完走を果たした伊藤/秋本組の伊藤和馬選手は

「約1年ぶりのラリー参戦ということもあり、かなり緊張しました。でも、自分なりの挑戦ができたと思います。とにかくアクセルをしっかり踏んで走れたのは良かったですね。終盤にブレーキをフェードさせてしまって大変でしたが、今後はラリー全体の組み立てをもっと意識していきたいです」

と語ってくれた。

経験が開発力と“いいクルマづくり”につながる

リタイアという結果に対して

「高井/伊藤組が無事だったのは本当に良かったです。ブレーキへの負担が大きいコースだったので、そのあたりに原因があるかもしれません。とはいえ、現在の4名のメンバーはまだラリー参戦2回目。これから経験を積んでいってくれるはずです」

と藤澤監督は今回のラリーを振り返る。

また、今後の体制づくりについては

「裾野を広げ、層を厚くしていくことが必要だと感じています。乗員だけでなく、メカニックも社内公募で募っています。この活動が社員一人ひとりの技術力や経験値を高め、やがて“もっといいクルマづくり”につながると信じています」と言う。

社内チームの挑戦は、単なるレース活動にとどまりません。そこには、現場で感じた振動や汗、悔しさや歓びが、社員の“血肉”となって次の製品づくりへと活かされていく。そんな“リアル”があるのです。

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  • 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)
  • 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)
  • 1969年生まれ。美術大学で日本画を学んだ後に、編集プロダクション数社を経てフリーランスライター&フォトグラファーに。編集者時代にかかわってきたモータースポーツ取材を続け、現在も2輪4輪問わず国内外のサーキットやラリーシーンを取材している。日本モータースポーツ記者会会員。
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