チーム初のリタイア……それでも前へ
大会前夜に降った豪雨により、事前走行(レッキ)時とは路面状況が一変。クラッシュも相次ぎ、予定されていた4本のSS(スペシャルステージ)のうち、2本がキャンセルとなる荒れた展開となりました。
高井/伊藤組のヴィッツはSS3のフィニッシュ直前でコースアウトし、大きな岩に乗り上げてストップ。チームとしては初のリタイアという悔しい結果に終わりました。
一方、完走を果たした伊藤/秋本組の伊藤和馬選手は
「約1年ぶりのラリー参戦ということもあり、かなり緊張しました。でも、自分なりの挑戦ができたと思います。とにかくアクセルをしっかり踏んで走れたのは良かったですね。終盤にブレーキをフェードさせてしまって大変でしたが、今後はラリー全体の組み立てをもっと意識していきたいです」
と語ってくれた。
経験が開発力と“いいクルマづくり”につながる
リタイアという結果に対して
「高井/伊藤組が無事だったのは本当に良かったです。ブレーキへの負担が大きいコースだったので、そのあたりに原因があるかもしれません。とはいえ、現在の4名のメンバーはまだラリー参戦2回目。これから経験を積んでいってくれるはずです」
と藤澤監督は今回のラリーを振り返る。
また、今後の体制づくりについては
「裾野を広げ、層を厚くしていくことが必要だと感じています。乗員だけでなく、メカニックも社内公募で募っています。この活動が社員一人ひとりの技術力や経験値を高め、やがて“もっといいクルマづくり”につながると信じています」と言う。
社内チームの挑戦は、単なるレース活動にとどまりません。そこには、現場で感じた振動や汗、悔しさや歓びが、社員の“血肉”となって次の製品づくりへと活かされていく。そんな“リアル”があるのです。










































