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プロショップが考える理想の日産「GT-R」像とは? RB26&VR38チューニングの秘策を公開!(後編)

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TEXT: GT-Rマガジン編集部(GT-R Magazine)  PHOTO: 高原義卓

パワーだけではなくレスポンスが速さを生み出す

 ウエストスポーツのR35で独特なのが、インジェクター(燃料噴射装置)のチョイスである。R35純正のメインインジェクター(570cc)はそのままに、さらに純正インジェクターを6本追加。計12本で燃料噴射をコントロールしている。今ではポピュラーになりつつある手法ではあるが、’16年当時は1,000cc以上の大容量インジェクターを6本使うのがメジャーだった。かつて亀谷代表はRB26でも同様に12本インジェクター仕様を手掛けた経験がある。

「初めて鈴鹿を走らせた’16年にはすでに12本インジェクター仕様になっていました。1,000ps超の出力ではかなり大容量のインジェクターを用いる必要がありますが、それではエンジンのレスポンスに満足できませんでした。純正インジェクターの容量では600psプラスα程度までしか賄えません。しかし、あと6本追加することで、1,000ps以上のパワーにも対応させることが可能です」とのこと。

 しかし当然、ただ追加すればいいというものではない。

「肝になるのは追加インジェクターが噴射し始める“繋がり”の領域です。これに関してはちょっとしたコツがあり、6本から12本に切り替えるときのタイミングを適正化しつつショックを出さないことが肝になります。アクセルコントロールの良さもタイムアップに繋がると考えています」と亀谷代表は説明する。

 常に全開加速でタイムを競うゼロヨンなどとは異なり、サーキットではコーナリング中や立ち上がりなどで繊細なアクセルコントロールが要求される。そこで加速に段付きが出たり、レスポンスが悪ければ好タイムは望めない。ウエストスポーツでは一貫してドライバーに山田英二氏を起用している。その理由は、

「山田さんは速いのは当然、どんな状況でも器用に乗りこなしてくれるドライバーです。付き合いも長いですし、信頼が置ける存在ですね」

R35GT-Rに搭載するVR38DETTにブーストロジック製のサージタンクを投入。純正インジェクターを追加する

純正交換タイプのオリジナルタービンも乗りやすくて速い!

 鈴鹿最速デモカーのイメージが強いが、同店を訪れるR35ユーザーカーはどのような傾向かというと、

「ブーストアップなどのライトチューンが多いですが、オリジナルで出している純正交換タイプのタービンはバランスもよくて面白いですよ」

 純正と同じIHI製の「VN7.5ハイスペックタービン」は、エンジン本体ノーマルのままでも700ps強が手に入るアクチュエータ式のターボキット。ここで紹介しているMY11(2011年モデル)のユーザーカーは、VN7.5タービンのほか、HKSの鍛造ピストン&コンロッド、JUNオートの272度カムなどを奢ることで、最大ブースト1.5kg/cm2時に820ps/100kg-mを発生させるという。

「ブレードとハウジングのチップクリアランスを純正よりも詰めているので、高回転域だけではなく低速域もノーマルより乗りやすくなります。ピストンとコンロッドを強化すればさらにブーストを掛けることができるようになるので、800ps以上まで持っていくことも可能です」

 デモカーでは究極のパワーと速さを追求しつつ、ライトチューンからタービン交換まで幅広い仕様を煮詰めながら、今も探求を怠らない。第2世代(R32/R33/R34)のRB26DETT同様、R35のVR38DETTに関しても亀谷代表の繊細な調律が最速タイムを生み出していると言えるだろう。

(この記事は2020年10月1日発売のGT-R Magazine 155号に掲載した記事を元に再編集しています)

ウエストスポーツのオリジナルアイテムであるVN7.5ハイスペックタービンはIHI製

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