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アルファ ロメオ「8C」は3500万円ほどで安定傾向! クーペのほうが相場は高いのにスパイダーが高値落札された理由とは

アルファ ロメオ「8C」は3500万円ほどで安定傾向! クーペのほうが相場は高いのにスパイダーが高値落札された理由とは

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 2023 Courtesy of RM Sotheby's

8Cコンペは約3530万円、8Cスパイダーは約3890万円で落札!

このほど「Munich 2023」オークションに、「ロード&トラック・コレクション」から出品された8Cコンペティツィオーネは、オーセンティックな色合いの「ロッソ・アルファ」にペイントされ、ポルトローナ・フラウ社製の表皮を用いたブラックレザーのインテリアと魅力的なコンビネーションを見せる。

この個体は2008年4月4日、オーストリアのアルタッハで最初のオーナーに新車として引き渡された。それ以降、付属のサービスブックにはランクヴァイルのマセラティ専門ガレージで定期点検を受けたことが記されており、次の点検は2014年9月、ベルギーのゲントにある「ACGマセラティ」で行われたことが記録されている。

現在では「ロード・アンド・トラック・コレクション」に保管されている8Cは、2021年2月にフェラーリの正規ディーラーである「ゴーデュエル・リヨン」社によって最新の点検整備が行われ、この時点でのオドメーターは1万8828kmを指していた。

そして約2年半後、今回のオークションカタログ作成時のオドメーターは1万9362kmを指していたこともあって、RMサザビーズでは落札者に対して、磨耗したタイヤを公道走行の前に交換するよう推奨していた。

いっぽう、8Cコンペティツィオーネとは別のオーナーによって出品された8Cスパイダーは、現オーナーからのリクエストにより、2009年12月17日に「フィアット・グループ・オートモービルズ・オーストリアGmbH」がオーダーしたもの。オーストリアに新車として登録された、唯一の8Cスパイダーと考えられている。

ボディカラーは、クーペのソリッドに対してメタリックの「ロッソ・コンペティツィオーネ」。ブレーキキャリパーは同系色のレッド。ポルトローナ・フラウのブラックレザーのインテリアに、センターコンソールやドアカードに施されたカーボンファイバー調のトリム、そしてブラックのソフトトップ・フードがアクセントを添えている。

この8Cスパイダーは2011年11月に納車されたのち、これまで完全なワンオーナーで12年間保管されてきたものの、ほとんどドライブに供されることはなく、オークションカタログ作成時の走行距離はわずか344kmに過ぎない。

さる2023年3月には、ウィーンのマセラティ正規ディーラーである「Keusch GmbH」社によって、6000ユーロを費やして整備されたほか、タイヤも新調されたという。

こうして11月25日に行われた競売において、2008年型8Cコンペティツィオーネは22万4250ユーロ、 日本円に換算すると約3530万円で落札。そして2010年型8Cスパイダーは24万6875ユーロ、つまり約3890万円でハンマーが落とされることになった。

クラシックカーおよびコレクターズカーの国際マーケットにおいて、大多数のスポーツカーではクローズド版よりもオープン版のほうが、同系モデルであっても市場における相場価格が高めに出るのが常である。しかしアルファ ロメオのスポーツモデルの一部では、たとえばES30系「SZ」および「RZ」などのように、オリジナルであるクーペのほうが高く評価されることもある。

じつは8Cコンペティツィオーネと8Cスパイダーでも、ここ数年のマーケット相場価格はクーペの方が高いのが実情。だから今回スパイダーの方が高値落札されたのは、走行距離やコンディションの差が明確なものだったと想像されるのだ。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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