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80年代の空気感たっぷりのホンダ初代「クイント インテグラ」といえば山下達郎!? ホンダらしい個性的なクルマでした【カタログは語る】

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)

  • ホンダ クイント インテグラ:フロアパネルは専用ながら、サスペンションは基本的にシビックの流用
  • ホンダ クイント インテグラ:ホイールベースは2450mmとシビックのセダン/シャトルと共通だった
  • ホンダ クイント インテグラ:シンプルながらもスタイリッシュなコクピット
  • ホンダ クイント インテグラ:車名が表わすように5名乗りのきちんとした室内空間を確保していた
  • ホンダ クイント インテグラ:搭載エンジンは全車1.6LのDOHC・4バルブとし、シングルキャブレター仕様と、電子制御燃料噴射システムのPGM-FI仕様の2機種を設定
  • ホンダ クイント インテグラ:高性能版(RSi、GSi)には4輪ディスクブレーキ、60タイヤなども奢られた
  • ホンダ クイント インテグラ:外観ではリトラクタブルヘッドランプやラップラウンド・リアウインドウが特徴だった
  • ホンダ クイント インテグラ:コクピットにフットレストを備えていたのも走りへのこだわりを感じさせた
  • ホンダ クイント インテグラ:3ドア登場から9カ月遅れて5ドアが登場
  • ホンダ クイント インテグラ:5ドアは3ドアで特徴的だったラップラウンド・リアウインドウなどはそのままに、ホイールベースと全長をそれぞれ70mm延ばしながらも破綻のないスタイルを保った
  • 左は先代にあたるクイント(欧州名クインテット)のカタログ。右がクイント インテグラのカタログ
  • クイント(欧州名クインテット)はシビックとアコードの間を埋めるモデルだった
  • ホンダ クイント インテグラ:見るからに斬新でスタイリッシュなクルマの印象だった
  • ホンダ クイント インテグラ:クイントからバトンタッチする形で1985年2月にデビュー

クイントの後継モデルとして1985年にデビュー

1980年代のホンダ車は「プレリュード」や「バラードスポーツCR-X」など個性的なクルマが目白押しでした。そんな中で5ドアハッチバック「クイント」の後を継いで1985年に登場したのが「クイント インテグラ」。3ドアクーペ、5ドアセダン、4ドアセダンと展開し、インテグラシリーズの始祖となったモデルは2025年で40周年を迎えます。当時のカタログを通じて振り返ります。

山下達郎の曲がCMとマッチしていた

初代「クイント インテグラ」というと何をおいても思い出すのは、1985年2月のデビュー当初にオンエアされた最初のTV CMだ。見覚えがある方ならおわかりだと思うが、映像は長身のモデルの男子2人(後に女子2人、男女1組のバージョンへと続いた)がクイント インテグラに乗って海辺を走るじつに爽快なシーン。楽曲は山下達郎の「風の回廊(コリドー)」で、これが映像にじつにマッチしていた。

筆者は当時も今も「ヤマタツ」のアルバムはひととおり揃えているファンのひとりでもあるので「おぉ!」と反応を示したのは言うまでもなく、その後「僕の中の少年」(1986年)、「First Luck―初めての幸運(しあわせ)」(1987年)、「マーマレイド・グッド・バイ」(1988年)と楽曲が続けざまに起用されたこともあり(1987年の「踊ろよ、フィッシュ」はANAの沖縄キャンペーンのタイアップ曲だった)、今でもこうして原稿がスラスラ書けるほど、筆者の中で初代クイント インテグラとヤマタツは「紐付け」られている次第。

なお当時配布された広報資料には「風の回廊(コリドー)」は「クイント インテグラのために作詞・作曲し、自らが歌うオリジナル作品」と紹介があったほか、ヤマタツのオリジナルアルバムでは1986年リリースの『POCKET MUSIC』に収録されている。

見るからに斬新でスタイリッシュな印象だった

ところでもともと「クイント」は、2代目「シビック」(1979年)の3BOXセダンとして登場した「バラード」(1980年)の5ドアハッチバック版として1980年に登場。車名のクイントは元は「5ドア」にかけたもので、当時の提携先だったローバー版は「クインテット」とされていた。

当時のホンダのラインアップではシビックと「アコード」の間を埋めるモデルで、ホイールベースはシビック5ドアと共通だったセダンのバラード(2320mm)より40mm長い2360mm。初代「プレリュード」を扱うベルノ店での取り扱い車種としての登場だった。が、欧州実用車調のスマートさが売りのはずの5ドアだったが、ホンダの思惑とは裏腹に日本市場での盛り上がりは今ひとつ。そこで新たに「インテグラ」の名を付加した新型へバトンタッチすることになったのだった。

「ピュア・スピリット。インテグラ誕生」、「それは、DOHCロマン」。カタログを開くとそんなコピーが目に飛び込んでくるクイント インテグラは、見るからに斬新でスタイリッシュなクルマの印象だった。とくに当時のプレリュード(2代目)と同様にリトラクタブルヘッドランプを採用した低いノーズは、それまでの実用車然としていたクイントとは打って変わって、スペシャルティカーと呼んでもいいほど。当時のホンダ車でいうと、前述のプレリュードのほか、「ワンダー シビック」から派生した「バラードスポーツCR-X」など、魅力的な個性派が揃っていたが、クイント インテグラも間違いなくその一角に肩を並べるクルマといえた。

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