天候に影響されず極限テストが可能に!自動車開発のデータが安定化
メルセデス・ベンツは2025年12月8日に新型GLBを発表しました。BEVと48Vマイルドハイブリッドで、電動化技術とデジタル体験を大幅に進化させています。その開発にはメルセデス・ベンツ伝統の厳格な基準を満たすために「ジンデルフィンゲンのメルセデス・テクノロジー・センター(MTC)」でテストを実施しています。本稿では「極寒&灼熱」テストが行なわれるこのMTC内の気候風洞室に迫ってみました。
北極の寒さと風速55mの吹雪を再現できる気候風洞室
筆者が現役時代のメルセデス・ベンツの「極寒&灼熱」テストといえば、冬季の北欧スカンジナビア半島やアメリカの砂漠にあるデスバレーのような場所に、テスト車を持ち込んむのが一般的だった。
ところが、メルセデス・ベンツは気候風洞テストのシミュレーションと現地・実車テストのギャップを埋め厳格な社内基準を満たすために、「ジンデルフィンゲンのメルセデス・テクノロジー・センター(MTC)」を2016年に約2億ユーロ(当時の円換算で約240億円)の予算を投じて完成させた。その建物は170m× 279m× 23mと巨大で、最新鋭の気候風洞室のほか、毎年最大900回の各衝突テスト、ドライビング・シュミレーターなどを設置した。
この気候風洞室にはコールドチャンバー/ヒートチェンバーの2種類がある。
コールドチャンバーの温度設定範囲は、現実世界で考えられるほぼあらゆる気象条件をカバーするのに十分な-40℃〜+40℃。さらに最先端の人工降雪機により、多様な雪質の生成が可能で、高出力ファンと組み合わせることで、最高200km/hで雪が試験車両に向かって飛んでくる猛吹雪も再現できる。
ちなみに、この気候風洞の建物床面積は70m×60m。風洞テスト装置に加え、オフィスと制御室も備えている。エンジニアはここで、温度、湿度、風速などのパラメータを調整でき、風洞室内で行われる各テストは大きな窓から間近で観察が可能である。
風洞室の床には、路面を模したローリングロードが設置されている。強力な電動モーターがローラーを駆動し、4MATICモデルも現実的な条件下でテストすることができる。このテスト装置は最大出力780kWで設計されており、最高速度は265km/hに達する。つまり、コールドチャンバーの風洞室では、極寒環境で風を当てた走行状態を再現する(低温/強風/高速)も可能なわけだ。
車体をムラなく凍らせ各部の動作やヒーターシステムを確認
この気候風洞では車両を停めた状態で車両全体を均一に凍らせることも可能だ。つまり、素材/ドア/センサーの凍結耐久テストである。そこでさまざまな車両部品や機能を検証。例えば、フロントガラスワイパーの機能検査。あらゆる気象条件下で完璧に機能することを確認する。
-15℃から-20℃の霜が降りる気温において、ヒーターシステムは凍結したフロントガラスを迅速に除氷しなければならない。風洞室でのテストでは、そのような除氷プロセス全過程をカメラで記録。新型GLBは、外気温-15℃の環境下でも、わずか15分でフロントガラスがクリアになり、走行可能な状態になった。しかも、ヒーターシステムの除霜機能のみで、ワイパーなどドライバーによる操作は一切していない。




































































