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BMWの「キドニー・グリル」が大きくなったのは今に始まったことではない! バリエーション豊富な「ブタ鼻」の歴史を振り返ろう

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: BMW AG

E36系3シリーズからのデザインが21世紀初頭までキーとなる

キドニー・グリルに次なる劇的な進化をもたらしたのは、1990年に登場した第3世代のE36系「3シリーズ」。先代E30系までは一体化されていたキドニー・グリルが再び2つに分割されるとともに、やや横長で角が丸くてフラットな形状とされ、水平にレイアウトされた。特筆すべきは、ヘッドライトとキドニー・グリルがボディ同色のサーフェスによって切り離されているという点。このデザインは1990年代の多くのモデル、例えばE38系「7シリーズ」、E39系「5シリーズ」、「Z3」、4代目E46系3シリーズ、そして初代(E53)および第2世代(E70)の「X5」などでも採用されるなど、21世紀初頭のBMWデザインのキーとなった。

また、2013年に登場したBMW初のバッテリーEVモデルである「i3」においては、ついに空気を取り入れるという本来の機能を持つ必要性をなくしたキドニー・グリルだが、純粋にBMWとしてのアイデンティを際立たせる要素として採用された。このコンセプトはPHEVスーパーカーの「i8」にも採用されたのち、現在のBMW製BEV各モデルにも継承されている。

一方、ともに2018年にデビューした現行型「8シリーズ」および「Z4」では、横長の五角形を2つ並べたデザインとされ、スポーティなノーズ形状を強調。さらに現行モデルであるG20系3シリーズやG30系5シリーズのキドニー・グリルは、上辺をボンネットのキャラクターラインに届くほど高い位置に設定したうえで、多角形フォルムの両端を左右のヘッドライト上辺へと接続。水平方向の広がりを視覚的にアピールしている。

最新4シリーズ/M3の巨大グリルもインパクトだけにあらず

そして冒頭でも述べた現行G22系4シリーズ/M3のインパクト満点のキドニー・グリルについて、BMWの公式見解では、第二次大戦前の328のデザインを現代に昇華したものと伝えられており、大方の国内メディアでもその見解に追随しているようだ。

しかしこれはあくまで筆者の私見ながら、大きな縦型キドニー・グリルと横長の異形ヘッドライトの組み合わせは、1960年代の名作2000C/CSのフロントエンドを強く連想させられるのだが、読者諸兄はいかが思われるだろうか……?

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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