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「アーマーゲー」それとも「アーエムゲー」? 創業137年目のメルセデス・ベンツの歴史を振り返ります

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TEXT: 妻谷裕二(TSUMATANI Hiroji)  PHOTO: メルセデス・ベンツAG/メルセデス・ベンツミュージアム/妻谷コレクション

AMGの歴史は3人の男から始まった

現在の会社名は「Mercedes-AMG GmbH(メルセデスAMG有限会社)」で、1967年に創業した。社名のAMGは、創立者であるハンス・ヴェルナー・アウフレヒト(Hans-Werner Aufrecht)と彼の兄、そしてエンジニアであるエルハルト・メルヒャー(Erhard Melcher)のAとM、アウフレヒトの生まれ故郷であるグローサスパッハ(Grossaspach)のGと、それぞれの頭文字に由来してAMGとなった。

1999年、ダイムラー・クライスラー社が51%の株式を保有することとなり、実質的にダイムラー・クライスラーの傘下となった。現在は100%株式をメルセデス・ベンツグループ社が保有している。今ではハイパフォーマンスラグジュアリーの未来を形作るエキサイティングなサブブランドである。

AMGエンブレムの由来とは

輪郭の月桂樹は、メルセデス・ベンツとともにレースの覇者になることを象徴している。左側の清い水とりんごの樹はメルセデスAMG社の所在地であるアファルターバッハの名に由来している。そして、右側のカムとバルブは卓越したエンジン開発技術を象徴(カラー表示時代)。現在のエンブレムロゴは下地の黒に白抜き文字に統一されている。

One man – One engine=1人のマイスターがひとつのエンジンを!

AMGに搭載されるエンジンは「One man – One engine」=「1人のマイスターがひとつのエンジンを」という主義に従い、手作業で丹念に組み上げられている。エンジンの上に輝くマイスターのサインが刻まれたプレートは、まさにクラフトマンシップの証である。

ワンマンワンエンジン

アーマーゲー? アーエムゲー? AMGをどう呼ぶのか

果たしてアー・マー・ゲー? またはエー・エム・ゲーで良いのだろうか? 日本ではよくこのように呼ばれるが、ドイツ語ではアー・エム・ゲー、英語ではエイ・エム・ジーと呼ぶ。このAMGもまた誕生の歴史を知れば、正式な呼び方となる。

ヤナセがメルセデス・ベンツを取り扱い始めて70年

2022年はヤナセがメルセデス・ベンツを取り扱って70周年、つまり半世紀以上もメルセデス・ベンツを取り扱ってきたことになる。1952年6月28日、当時の関係会社ウエスタン自動車が最初に4台(170V・170S・220・300)を発注し、同年9月23日に、まず170Vが横浜港に入港した。この170Vが輸入第1号車で10月6日に納車された。そして1952年の初年度に158台を販売、さらに翌年の1953年には177台を販売した。

2022年は年間2万6527台を販売し、累計販売は107万142台となっている。

* * *

会社の歴史と概要、売上高/利益、世界販売台数すべてに一貫した哲学「最善か無」がある。「メルセデス・ベンツの年輪」、それは1日にして成らずなのだ。「メルセデス・ベンツの代表モデル」に続く。

【2022年度のメルセデス・ベンツグループ株式会社 概要一覧表】
社名:メルセデス・ベンツグループ株式会社(Mercedes-Benz Group AG)
乗用車・バン部門:メルセデス・ベンツ株式会社(Mercedes-Benz AG)
ファイナンス&モビリティ部門:メルセデス・ベンツモビリティ株式会社(Mercedes-Benz Mobility AG)
本社:ドイツ・シュトゥットガルト
資本金:30億7000万ユーロ
会長:オラ・ケレニウス
取締役会:8人のメンバーで構成
監査役会:株主代表10名、従業員代表10名で構成
※監査役会は取締役会を任命し、企業の重量な決定を承認する
売上高:1500億ユーロ(2021年:1339億ユーロ)
グループEBIT:205億ユーロ(2021年:160億ユーロ)
研究開発費85億ユーロ(2021年:91億ユーロ)
メルセデス・ベンツカーズ販売台数:204万719台(前年比+5%)
メルセデス・ベンツバン販売台数:41万5334台(前年比+8%)
メルセデス・ベンツモビリティ:契約高は1324億ユーロ(2021年:1337億ユーロ)
メルセデス・ベンツグループ従業員数:17万人(2021年12月31日現在)

【世界の生産工場とモデル】

【ドイツ国内の生産工場(積出港:ブレーマーハーフェン)】
乗用車組立:
ジンデルフィンゲン=Eクラスセダン/ワゴン、Sクラス、CLS、EQS、メルセデスAMG GT
ブレーメン=Cクラスワゴン/クーペ/カブリオレ、Eクラスクーペ/カブリオレ、GLC、SL、EQC、EQE
ラシュタット=Aクラスセダン/ハッチバック、Bクラス、EQA、GLA、
乗用車部品:ウンタートゥルクハイム(本社)、バートカンシュタット、バートホンブルク、カメンツ、べルリン、ハンブルグ
商用車:ガゲナウ、ヴェルト、マンハイム、デュッセルドルフ、カッセル。

【ヨーロッパの生産工場(積出港:バルセロナ)】
スペイン・ヴィトリア=Vクラス
オーストリア・グラーツ=Gクラス
ハンガリー・ケチケメート=CLAクーペ/シューティングブレーク
フィンランド・バルメット=Aクラスハッチバック

【南アフリカ共和国の生産工場】
イーストロンドン=Cクラスセダン

【アメリカの生産工場(積出港:ブラウンズウィック)】
アラバマ州タスカルーサ=GLE/GLS

【メキシコの生産工場(積出港:ラサロ・カルデナス)】
アグアスカリエンステス=GLB

(Mercedes-Benz Annual Report 2022より抜粋)

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  • 妻谷裕二(TSUMATANI Hiroji)
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  • 1949年生まれで幼少の頃から車に興味を持ち、40年間に亘りヤナセで販売促進・営業管理・教育訓練に従事。特にメルセデス・ベンツ輸入販売促進企画やセールスの経験を生かし、メーカーに基づいた日本版のカタログや販売教育資料等を制作。またメルセデス・ベンツの安全性を解説する独自の講演会も実施。趣味はクラシックカー、プラモデル、ドイツ語翻訳。現在は大阪日独協会会員。
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