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昭和の三菱はターボ王国! ハイテク満載の2代目「ギャラン/エテルナ」の「シグマ/ラムダ」がバブルの予兆でした【カタログは語る】

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人

純国産の直4ガソリンターボはスカイラインターボの6気筒に匹敵するパワーを発揮

そしてこの2代目シグマ&ラムダの注目といえば、やはりガソリンターボの登場だろう。ギャラン シグマ、ギャラン ラムダ、エテルナ シグマ、エテルナ ラムダの全4車種にGSR、GTの2グレード展開で設定。

いずれのターボ専用カタログでも見開きを割いて丁寧に紹介されているが、とくに写真でもご紹介しているブルー地のギャラン シグマ ターボのカタログを見ると、三菱重工製のターボチャージャーのカットモデルの写真およびタービン&コンプレッサーの単体写真が載せられているほか、エンジン単体写真もよく見るとクーリングファンが回転した状態で、「このエンジンは現在2000回転でまわっています。ターボゾーンはこの回転数付近から始まります」とキャプションが付けられていたりする。さらに吸・排気の経路が図版で示されていたりと、マニアックなユーザーなら、これは白いご飯が何杯もいけるページだったに違いない。

「三菱はかつて昭和18年、日本で初めて、航空機用ターボの開発と試作、搭載機の飛行に成功したメーカーです。わが国初のターボディーゼルにひきつづき、いま初の純国産ターボ付きガソリンエンジンの開発に成功。システム全体がエンジンに合わせて自社開発されています」と、他社では書けない文面も載っている。

ちなみに搭載されたこのG63B(ECIターボ)のスペックは最高出力145ps/5500rpm、最大トルク22.0kgm/3000rpmで、当時のスカイラインターボの6気筒、L20ETとは最高出力は同じ、最大トルクは1.0kgm上まわるというものだった。

ほかにも日本初の4輪ベンチレーテッドディスクブレーキ、等速ジョイント、アドバンのスチールラジアルタイヤ(オプション)、4輪独立サスペンションや、VELNAS(ベルナス)と名付けられた車載コンピューターなど、マニア心をくすぐる仕様やアイテムも。

写真でご紹介しているカタログの裏表紙には筆者の自宅近くの三菱ディーラーのスタンプが押されてあり、どうやら「閲覧用」と「保存用」の2部までは貰ってこなかったようだが、こういう惹きつけられる国産の新型車が続々と登場してきた頃のクルマでありカタログだった……とつくづく思わされる。

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  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 1958年生まれ。大学卒業後、編集制作会社を経てフリーランスに。クルマをメインに、写真、(カー)オーディオなど、趣味と仕事の境目のないスタンスをとりながら今日に。デザイン領域も関心の対象。それと3代目になる柴犬の飼育もライフワーク。AMWでは、幼少の頃から集めて、捨てられずにとっておいたカタログ(=古い家のときに蔵の床が抜けた)をご紹介する「カタログは語る」などを担当。日本ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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