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サビの出ていない「スカイラインGT-R」はない!「R32」にはなく「R33・R34」特有のサビが出る場所とは

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TEXT: GT-R Magazine  PHOTO: 増田貴広/カナザワボディリペア

  • 錆の写真
  • 追突時の傷はかなり近くで見ないとわからない程度で済んだ。今回はたまたまバンパーを交換することになったから発見されたものの、何もなければこの先もこのまま乗り続けていたと思うと……
  • リアバンパー交換時に外してみた状態。一見して問題ないように見えるが……
  • リアバンパーを外したところサブフレームに繋がるリアパネルに錆が。7~8年ほど前にも脱着したことがあるがその際にはなかった。数年置きに外してチェックしてみるといいかもしれない
  • 補強パネル部分以外にも、縁の部分などにうっすらと錆が浮いていたため、応急処置ではあるが表面から防錆処理を施してもらった
  • 新しい鉄板を同じ形に切り出して、しっかりと防錆処理を施す。いつかはまた錆が浮いてくるが、10年くらいは大丈夫だろうとのこと
  • R33/R34の錆の定番「フードレッジ」。部分的に補修できるようにカナザワボディリペアでは純正同形状のパネルを新規製作。6万9300円/左右セット
  • こちらはGT-RマガジンのR34よりも深刻なダメージを受けていたR34のリアパネル。トランク内(マフラー側)もかなり錆が浮いていたという
  • 水はねやマフラーから出る排ガスなどでリアパネルは真っ黒になっていた。これを機にテールランプなども外してキレイに塗装し直す
  • 「完璧にする必要はありません。あと10年乗れるような対策を施すだけでも持ちは変わります。将来は部品供給もどうなっているかわからないのでできるうちにやったほうが安心です」と金沢廷好代表
  • 塗装表面を削るとパネルに穴が。部分的に切開して鉄板を張り替えることに。表に錆が出ていると内部は大抵こうなっているという

「あと10年」の安心を得るために

第2世代「GT-R」のオーナーの多くが気に掛けている懸念材料と言えば、錆による「ボディの劣化」が挙げられるだろう。これまでに『GT-Rマガジン』で幾度も取り上げてきたテーマであり、一度錆が出たら確実に進行するだけに神経質になる気持ちもわかる。パネルに穴が開くような重篤なケースは別だが、すべてを修復せずとも要所さえ押さえれば一生付き合うこともできるはずだ。

(初出:GT-R Magazine 163号)

錆を完璧に排除する必要はない! 部分的に手を入れれば延命可能

某日、GT-RマガジンのスタッフカーであるR34型「スカイラインGT-R VスペックIIニュル」で信号待ちをしていたところ、よそ見をしていた後続車に軽く追突されてしまった。接触というよりも極低速で少し押されたような感じで、損傷はバンパーにちょっとしたヘコミが出来た程度。幸いなことに大事には至らなかった。

その後、スカイラインGT-Rと得意とする「カナザワボディリペア」に車両を持ち込んだところ、リアバンパーの交換で済む程度の軽傷で、それ以外に損傷はないとの診断を受けてホッとした。

だが、作業のためにバンパーを外したところ、リアパネルの右側フレーム後端部分に錆が浮いているのを発見。見た目にはちょっとだけ塗装面に錆が浮いているくらいで重傷の類ではない。急を要するような状態ではなく、この程度の錆が出ているケースは少なくないという。事故には直接関係ない箇所ではあるものの、せっかくなのでこの部分も修理を依頼した。

「R33とR34はリアパネルの右下にもう1枚、補強用のパネルが重なっています。これがネックで、パネルの合わせ目に水が入り込むと長時間そこに留まってしまうためどうしても錆が出てしまうんです。Gマガ号のように表面に出てくるのはわりと進行しているほうですが、表面はキレイでもパネルを剥がすと大抵のクルマは錆びていますね」と、カナザワボディリペアの金沢廷好代表。

ちなみに、R32にはこの補強パネルがないため錆びやすい箇所ではないという。フロントのストラットタワー上部も同様、フードレッジに補強パネルが追加されているR33とR34は錆びやすく、パネルが1枚しかないR32は問題ない。

このまま長年放置しておくとどうなるかというと、錆が裏側のフロアやサブフレームに広がっていき、大手術が必要になるケースもあるという。もしもそう遠くない将来に買い替えるというクルマならばあえて修復するほどの劣化ではない。しかし、あと10年、いや20年、願わくば一生乗り続けたいというならば、軽傷のうちに手を打っておけば被害を最小減に抑えることもできる。

「ここ数年はちょっと錆が出ているだけで心配されるGT‒Rオーナーが多いです。クルマを大事にしている気持ちからだとは思いますが、正直なところどこも錆びていない第2世代GT‒Rなど存在しません」と金沢代表は言う。

金沢代表

車体が鉄で構成されている以上、どんなに防錆したとしても今回のようにパネル同士が重なっている部分は電着塗装時に塗料の粒子が十分に入っていないため、シールのヒビ割れなどにより水分が浸透するとじわじわと錆びてしまうのだ。

理想というか究極はホワイトボディまで分解して徹底的な錆対策を施すことだろう。しかしそれには膨大な費用と時間を要するし、施工できるショップも限られる。そこまでいかずとも、錆びやすく比較的修復しやすいパネルに応急的な処置を施すだけでも、ボディの持ちは随分と変わってくる。金沢代表の見立てでは、今回のプチ修復であと10年くらいは錆が出てこないだろうとのこと。完璧を求めずとも、GT‒Rらしさを維持したまま長く付き合うことはできるのだ。

(この記事は2022年2月1日発売のGT-R Magazine 163号に掲載した記事を元に再編集しています)

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