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予算100万円! 限界の低さに挑戦するために学生が選んだのは、ホンダ「ストリート」と「フォーミュラ・スズキ隼」の合体でした

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TEXT: 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)  PHOTO: 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)

  • 静岡工科自動車大学校の学生たちが製作したマシン
  • ホンダの軽バン「ストリート」のボディを2台使って製作された
  • ベースとなっているのはフォーミュラ・スズキ隼のシャシーとエンジン
  • 過去に披露したマシンとは次元の違いを見せつける低さで全高はわずか1.1mほど
  • ちゃんと乗り降りできるように、ボディサイドには、ポップアップ式のドアを装着
  • フォーミュラ・スズキ隼のシャシーにパイプフレームを組んだ
  • ホンダ ストリートのボディを切り貼りし、溶接して被せている
  • フロント/リア/サイドウインドウはアクリルで製作
  • マフラーエンドの上の剛性バーに注目! なんとカムが溶接されている。学生たちの遊び心を感じる部分だ
  • フォーミュラ・スズキ隼のエンジンを積む
  • 静岡工科自動車大学校の学生がホンダのストリート、アクティ、フォーミュラ・スズキ隼をベースに製作したマシン

バイク+クルマ+フォーミュラな魔改造車

カスタムカーが集まる大阪オートメッセや東京オートサロンというイベント会場で、ここ数年注目が集まっているのが、自動車系専門学校が製作したクルマたちです。その理由は、大人たちにはない学生ならではの自由な発想でクルマをカスタムしているからでしょう。そこでAMWが注目した学生が製作したカスタムカーを紹介します。その中でも注目の1台が静岡工科自動車大学校の学生たちが製作したホンダ「ストリート」ベースの極薄ぺったんこマシンでした。

ペッタンコの不思議なクルマ!?

さまざまなカスタムカーが展示されている中で、異彩を放っていてたのが静岡工科自動車大学校が製作したホンダの軽バン「ストリート」のボディを持つぺったんこマシンだ。といっても、これは外装だけで、ベースは「フォーミュラ・スズキ隼」のシャシーとエンジンを使っている。

静岡工科自動車大学校といえば、2023年はぺったんこの車高短「サニー」が話題になった。今年は、同じぺったんこな車高短シリーズとしてホンダのストリートと「アクティ」に、フォーミュラ・スズキ隼を合体させた世にも奇妙なスーパーチョップド・ぺったんこマシンを完成させた。

静岡工科自動車大学校は、どうやらぺったんこマシンが伝統のようで、過去を振り返ると何台もの地を這うぺったんこ仕様を手がけている。そして、今年の発表したマシンは、過去に披露したマシンとは次元の違いを見せつける低さであった。そのコンセプトは「これ以上ない低さに挑戦!」といった感じだ。

静岡工科自動車大学校の学生たちは、限られた予算で創意工夫をしながらカスタムプランを話し合い、みんなで考えて製作を進めている。学校側からは総予算100万円が支給される。この予算内で車両調達からカスタム費用まで捻出するとなると、一番の出費となるのがベース車の費用だ。これをどれだけに抑えるかがポイントになる。そこで、まず最初に学生たちは、使えそうな車体がないか構内を散策して探すことになる。すると、過去に先輩たちが製作したフォーミュラ・スズキ隼を発見。今回は総製作費を抑えるために、過去の作品をリサイクルし、それをベースになんじゃコリャ! なマシン製作に着手したというわけだ。

車高も変えられて、走行も可能

このクルマの正式名称は「ホットロティ」という。静岡工科自動車大学校に通うスポーツカー好きの学生10人が4カ月ほを費やして製作した卒業記念の作品だ。

見た目では想像がつかない構造は、フォーミュラ・スズキ隼のシャシーにパイプフレームを組み、ホンダ ストリートのボディを切り貼りし、溶接して被せている。

もともとフォーミュラマシンで車高が低かったこともあり、そのベース車ならではの特性を活かして、ただの箱車というだけでなく、ぺったんこのマシンとして表現したほうがインパクトがあると考えて製作を決行。ただ、実際に作業を進めると、ストリートのボディ寸法では幅がまったく足りずワイドボディ化が必要であることがわかった。そこで、もう1台格安でホンダのストリートを購入し、ルーフトップやボディの一部を流用加工。さらに切り貼りを繰り返し、25cm伸ばしたワイドルーフを完成させた。

フォーミュラマシンならではの低さを活かしてチョップド化したボディの全高はわずか1.1mほどという。フロント/リア/サイドのウインドウはアクリルで製作。ちゃんと乗り降りできるよう、ボディサイドにはポップアップ式のドアを装着していた。また、フロントフェイスはストリートの兄弟車であるアクティのヘッドライトとバンパーを移植。ボディ全体をアメリカンなフレームデザインにすることで、ドラッグマシンテイストなイメージも与えている。

内装については、エンジンもコクピットもフォーミュラ・スズキ隼のままだが、よく見るとボディマウントにエアサス用のバッグがセットされている。なぜこの不思議なレイアウトになったのかというと、ボディ全体のリフト量を調整するため。必要に応じてエアサス用バッグで最低地上高を変えられる仕組みになっていた。

学生たちに、この状態で走れるのか聞いてみると「走行可能モデルとして作り込んでいます」という回答。だが、公道は走れないので、学校の構内で少しだけ走らせたそうだ。ただ、手直しや改善すべき点もあるので、取材した時点では、これで完成というわけではないとのことだった。

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  • 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)
  • 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)
  • 1969年生まれ。某出版社でドレスアップ誌、チューニング誌の編集長を歴任。2006年に自動車・バイク専門の編集プロダクション株式会社バーニーズを設立。自動車専門誌をはじめ、チューニング、カスタム系、旧車、キャンピングカー、アウトドアに関する媒体を新たに立ち上げる。これまでの愛車は、セリカXX、スカイライン、AE86、AE92、シビック、スープラ、シルビア、180SX、ロードスター、RX-7、BMW850iなどなど。他にもセダン系、バン系、ミニバン系など数多くのクルマを乗り継いでいる。
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