モータースポーツの知見を投入し目指したのは究極の「タイプR」
ホンダのワークスチューナーとして、無限(MUGEN)ブランドのパーツを数多くリリースするM-TEC。最新モデルのFL5型「シビック タイプR」用パーツの開発も早期から着手していましが、機は熟したとばかりにいよいよ市販開始。主にストリート仕様の「グループA」、機能や性能をストイックに追求したコンペティション仕様「グループB」が用意されます。今回はグループAのアイテム群をいち早く紹介しましょう。
開発ドライバーはスーパーフォーミュラTEAM MUGENの野尻智紀選手
「シビック タイプR」ファン、またはホンダ車ファンにとって「無限(MUGEN)」のブランド名は特別だ。ホンダのワークスチューナーとして広く知られた存在であり、これまで数々のチューニングパーツの銘品をリリースしてきた。
モータースポーツにおけるマシン製作やレース運営の知見を活かした機能やデザイン、さらには国産ディーラーでオプションパーツとして販売されるにふさわしい製品クオリティや耐久性も兼ね備える。それこそが無限製品ならではの魅力だ。
そんな無限は、FL5型シビックタイプRの発売当初からパーツ開発に着手。先代モデルであるFK8型には、前期/後期それぞれにパーツを設定したほか、カーボンエアロボンネットやリアスポイラーといった超ホンモノ志向の製品(そのぶん価格も3ケタ万円と刺激的だが)も設定されていただけに、FL5型に向けたパーツラインナップにも期待が集まっていた。しかしなかなか市販化へと進まなかったのは、それだけ性能や製品クオリティに妥協をしなかったということだろう。今回、発売された製品はあくまで第1弾という扱いだが、開発陣のこだわりが伝わってくる。
FL5型用無限パーツは、開発テーマを「Extreme R」に設定。究極のシビック タイプRを実現するべく、無限のレーシングスピリットと、長年のモータースポーツ参戦により蓄積されたノウハウを注ぎ込んで開発された。開発ドライバーを務めたのは、TEAM MUGENからスーパーフォーミュラに参戦している野尻智紀選手である。
自身がFL5型シビック タイプRのオーナーであるという野尻選手を開発ドライバーに迎え、開発が終了した「グループA」パーツ群から発売が開始された。ラインナップはフロント&リアのエアロパーツのほか、ブレーキパッド、ホイールなどである。
「機能美」を追求したエアロパーツはサーキット走行でこそ真価を発揮!
グループAでは、FL5型シビック タイプRの空力性能をさらに向上させるため、CFD解析や風洞試験、実走行テストを実施。パーツ単体ではなく、あくまで1台の車両として最適化された形状を採用し、ノーマル車両に比べてダウンフォースは25%も増加している。
前方に大きく張り出した形状の「フロントアンダースポイラー」は、ダウンフォースの獲得に寄与するとともに、車両の存在感をアップ。さらに「サイドガーニッシュ」と「リアンダースポイラー」は、フロントからサイド、リアへと繋がるような形状とした。
カラーは艶のあるベルリナブラックで、ロー&ワイドな印象を強調。まるでハコのレーシングカーのようなプロポーションへと変化させている。空力を最適化させつつ、迫力のあるスタイリングを両立させたエアロパーツ群は、まさに「機能美」あふれるデザインと言える。
そして「リアウイング」には、走行ステージによって最適な空力性能を発揮する可変式ウイングを採用。翼端板はなんとドライカーボン製で、軽量化にも貢献。そのほかではクルマ全体を鋭く攻撃的な印象へと変化させる「フロントバンパーガーニッシュ」が、無限のレーシングスピリットを主張している。