レーシング・ロマンが香るDOHC
ちなみにフロアパネルは専用ながら、サスペンション(前:トーションバーストラット式/後:トレーリングリンク式)は基本的にシビックのそれの流用。ただしホイールベースは2450mmとシビックのセダン/シャトルと共通とし、車名が表わすように5名乗りのきちんとした室内空間を確保していた点も注目だった。
一方でF1で鳴らす当時のホンダらしく、搭載エンジンは全車1.6LのDOHC・4バルブとし、そのシングルキャブレター仕様(最高出力115ps/最大トルク13.8kgm)と、電子制御燃料噴射システムのPGM-FI仕様(135ps/15.5kgm)の2機種を設定。
等長ドライブシャフト、トリポート型等速ジョイント、水冷多板式オイルクーラーなども採用している。高性能版(RSi、GSi)には4輪ディスクブレーキ、60タイヤなども奢られた。
上級なイメージの4ドアノッチバックも魅力だった
バリエーションとしては、当初の3ドア登場から9カ月遅れて5ドアが登場。このモデルは3ドアで特徴的だったラップラウンド・リアウインドウなどはそのままに、ホイールベースと全長をそれぞれ70mm延ばしながらも破綻のないスタイルを保った、これもまたクイント インテグラらしいモデルだった。
さらに1986年10月になると独立したトランクをもつノッチバックセダンを追加設定。このモデルは5ドアより全長が35mm長く、1985年6月に登場したリトラクタブルライトの3代目アコード(2代目「ビガー」)の4ドアセダンとは、同じプレスドアを採用することもあり近しく、上級なイメージを醸し出すもう1台のクイント インテグラとしての魅力をアピールした。
いずれにしても今から40年も前(もう!? と、思わずBRAUNの電卓を叩き直してしまった!)と今とでは時代が違うとはいえ、1980年代前半の甘い空気感と、その時代のホンダ車の、他社のどのクルマとも似ていないピュアな個性が今となっては懐かしい1台だ。











































