しなやかにサスが動きブレーキのコントロール性が秀逸
サスペンションのセッティングも変更している。純正と同じZF製の電子制御ダンパーだが、プログラムを変更。伸び縮みの稼働領域を最適化を念頭にセッティングされているということで、実際に走らせてみても、スポーツモードでも十分にサスペンションの動きを実感できる味付け。柔らかいわけではなく、必要に応じでしなやかにサスが動くというイメージ。
感覚的にはヒタッとタイヤが路面に密着してグリップ性能を作り出している。個人的に不満なのは、自由自在に振り回すには、リヤのスタビリティが高すぎること。もっとも、これもニュルブルクリンクを速く安全に走るにはマストのセッティング。グリップ主体の走り方になるが、それで4WDの曲がりにくさは微塵も感じない。
もうひとつ特筆スべきはブレーキだ。フロントがブレンボ製モノブロック6ポットキャリパーが採用されているが、これが踏力に対して正確に制動力を発揮してくれるタイプで、とてもコントロールしやすかった。さらに加えてブレーキを抜くときの制動力の抜けが素直で、踏力を抜くときのペダルコントロールが素晴らしくやり易かった。単なる輸出仕様の流用ではなく、電動ブレーキブースターの制御を専用セッティングしていることが、このようなフィールを実現できるのだろう。
エンジン、サスペンション、ブレーキ、またクルマを取りまくすべてのパーツが、運転のしやすさに向けてチューニングされている、そんな印象のS210だった。ひと言、愉しかった。















































