アリエル アトム:隼ベースのV8エンジンを搭載したスポーツカー
ほぼむき出し状態のパイプフレームに最小限のパネルをセットしたスポーツカーが、イギリス・アリエル社の「アトム」です。1996年の発表時には、ローバー製K型、1.8Lエンジンを搭載していましたが、その後ホンダ「インテグラ」に搭載されていたK20A型2.0Lエンジンを搭載し、さらにK20Aスーパーチャージャーや、無限チューンK20Aを積むなど、さまざまなバージョンアップを続けてきました。
そして登場したのが、今回取り上げる「アトムV8」です。ここに搭載されているエンジンは、1.35L4気筒、197psを発生するスズキ「隼」をベースとしたものです。このエンジンを使うにあたってアリエル社は、4気筒エンジンをふたつ組み合わせたV型8気筒とし、排気量も3.0Lまで拡大。最高出力を475psとしました。ちなみに車重は550kg。これはもう、バケモノといっていいパワーウェイトレシオで、0-100km/h加速タイムは2.3秒を記録しています。
ロータス エリーゼ/エキシージ/エヴォーラ:トヨタ製エンジンをミッドシップに搭載
ロータス「エリーゼ」は当初、ローバー製K型エンジンを搭載していましたが、ローバーの経営破綻をきっかけにトヨタ製エンジンへと換装しました。そこで使われたのがバルブタイミング可変機構付きだった1ZZ型1.8Lと、バルブタイミングとバルブリフト量可変機構付きの2ZZ型1.8Lでした。
「エリーゼSC」や「エキシージS」には、スーパーチャージャーを装備したチューンドバージョンを搭載していましたが、肝心のトヨタが1ZZや2ZZの製造を中止したため、ロータスはかわりのエンジンとして1.6Lの1ZR型をエリーゼに搭載。エキシージにはV6 3.5Lの2GR型スーパーチャージャーを搭載するようになりました。「エヴォーラ」に搭載されているのは、自然吸気の2GR型となっていますが、エヴォーラSにはエキシージと同じスーパーチャージャーバージョンが採用されていました。
スマート フォーツー:三菱製エンジンを搭載したコンパクト
1998年、当時のダイムラー・ベンツとスイスの時計メーカー、スウォッチが共同で開発した2シーターコンパクトカー、「スマート」。2004年には4シーターモデル「フォーフォー」がデビューしたことから、車名を「スマート フォーツー」に変更しました。
そこで使われていたエンジンは当初600ccの3気筒ターボ、2002年のマイナーチェンジで700cc 3気筒ターボとなりましたが、2代目の開発に差し掛かったところで、エミッションの問題からエンジンを新たに選び直す必要性が出てきました。
そこで2代目スマートに採用されたのが、三菱製の軽自動車用3気筒、3B20型をベースに排気量を拡大した3B21型1.0Lです。スマート フォーツーには71psの自然吸気バージョンと84psのターボチャージャー付きが搭載されていて、のちにターボ付きエンジンは、ブラバスがチューニングをおこない、102psまでパワーアップしたモデルも存在しています。
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このほかにもさまざまなモデルに日本製エンジンが搭載されています。もっというと、日本車をベースに海外自動車メーカーが独自モデル化したクルマも多数存在しています。それらについてはまた後日、紹介していきたいと思っています。