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35年で18台!若気の至りでイタリア車の世界へ「アルファ ロメオが車歴の大部分を占めた30代でした」【コニサーの車遍歴】

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 武田公実/AMW編集部

ジャガー/デイムラーに心を動かされたのち、結局はアルファ ロメオに回帰

こうしてアルファ ロメオ一辺倒のカーライフを送っていた筆者ながら、そのかたわらで実は英国車、ジャガー「XJ-S」にも積年の想いを抱いていた。もとはといえば、イタリア在住のわが従姉の結婚相手(元)がかつてXJ-Sを愛用しており、その家族宅に長期間にわたって居候していた筆者は、XJ-Sにすっかり魅了されてしまっていたのだ。

そこで「40歳になったらXJ-S」という秘めたる目標をかなえるべく、2007年にアルファ GTV3.0を友人の中古車店に売却し、15年落ちのジャガー「XJS4.0」へと乗り換える。

ところが案の定トラブルが頻発し、1956年型ジュリエッタ・スプリントとの2台持ちが辛くなっていたところに、以前の愛車GTV3.0がまだ売れずに残っていたことから、「やはり自分にはGTV……」と勝手に心変わり。結局1年ほどでジャガーは手放した。

そこでまたGTVとの生活を再開したのだが、この時期に遅ればせながら結婚。いわゆる「家庭の事情」により、アルファ ロメオ「147ツインスパーク・セレスピード」に乗り換えることになる。

4年にわたってクーパーSコンバーチブルを所有

さらに2010年代に入ると、アバルトでスーパー耐久や日本ラリー選手権に参戦していた「mCrt(ムゼオ・チンクエチェント・レーシングチーム)」に関係する仕事に携わるようになったことから、アバルト「500」(スタンダードの5速MT)に乗り換え、3年ほど愛用していた。

しかし、それらの仕事も満了していた2016年末に、1台のデイムラー「ダブルシックス」と出会うことになる。かつてコーンズの広報担当者だった1990年代初頭、徳大寺有恒氏や岡崎宏司氏、鈴木正文氏など、日本の自動車ジャーナリズムをリードする存在であった「コニサー(通人)」たちがこぞって愛用されていたダブルシックスは、当時の筆者にとっては夢のまた夢。でも「50歳になったら……」と勝手に拡大解釈して、ジャガーXJSの時と同じく1年間だけと時限を決めて所有することにした。

そして2018年には、アバルトに携わっていたころから内心では興味を抱いていたミニ(BMW)の「クーパーSコンバーチブル」(R57系6速AT)に乗り換える。これも最初は1年くらいで、また好奇心をそそるクルマがあれば乗り換えるつもりでいたのだが、なんだかんだで気に入ってしまい、結局は4年にわたって所有することになった。

ところがこのミニ、購入からしばらくして次から次へと故障が発生。それでも気に入っていたので、近所の正規ディーラーと相談しつつ長く乗るつもりが、最後は今どきのクルマとは信じがたいエンジンブローに見舞われ、やむなく一昨年に手放す羽目になる。とはいえ日常にクルマがないというのも困るので、友人から格安のフォルクスワーゲン「Up!」を譲り受け、当座のアシとすることにした。

昨春に手に入れたジュリエッタ・クアドリフォリオ

そして、50歳代も後半に差し掛かった2023年。今後もハイブリッドを含む電動車を所有することは極力避けて、純ICE車で車歴をまっとうしたいという思いを抱きはじめていた。そのかたわらUp!はとても頑丈で、壊れそうな気配もないながらも、この先もずっと乗る心境にはなれなかった。

さらにいえば、もはや死滅しかかっているマニュアル車を選択肢の多い今のうちに購入し、部品供給がなくなる、あるいは自身がマニュアル車を運転できなくなるまで、可能な限り長く乗りたい。どうせならば、もっとも好きなブランドのひとつであるアルファ ロメオに戻りたいと考え、まだUp!購入からさほど経過していない時期から探し歩いたあげく、ようやく昨春に手に入れたのが現在の愛車。日本仕様にマニュアルが設定されていた最後のアルファ ロメオ、2014年型「ジュリエッタ・クアドリフォリオ」である。

いっぽう20年前に勇んで入手したのはいいけれど、結局は持てあましてしまい、AMWでもおなじみ高桑秀典さん宅に長らく預かっていただいている1956年型ジュリエッタ・スプリントは、これからレストアを施したのちに手放そうと心に決めている。

こうしていささか消極的、あるいは消去法的な理由で選んだジュリエッタ・クアドリフォリオ。かつての145やGTVほどの刺激は求められないながらも、今こうして毎日乗っているとジワジワと好きになってきている。

初の愛車たるフィアットX1/9から数えて、35年間で18台。この台数が多いか少ないかは筆者自身にも分からない。また、依然として黒歴史を重ねている感がなくはないものの、それでも存外悪くない車歴だったのかな……?とも感じているのである。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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