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ボルボ「EX30」が大刷新!スポーツカーを凌駕する0-100km加速5.3秒のツインモーターAWDが新登場

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TEXT: 橋本洋平(HASHIMOTO Yohei)  PHOTO: 堤晋一(TSUTSUMI Shinichi)

ハーネス長を短縮するなどリサイクル性を考慮した設計

続いて乗ったのは「EX30 Ultra Twin Motor Performance」。2025年から導入となった「クロスカントリー」のオンロード版といった立ち位置のクルマだ。

バッテリーは69kWhのNMC(ニッケルマンガンコバルトを組み合わせた三元系リチウムイオンバッテリー)を採用。フロントモーターは115kW/200Nm。リアは他と変わらず200kW(272hp)/343Nm。結果としてシリーズ最速の0-100km/h加速3.6秒というスポーツカーも顔負けの数値を叩き出す一方で、航続可能距離はシングルモーターの560kmから535kmへとダウンする。

エクステリアは245/40R20サイズのタイヤ&ホイールを装着し安定感のあるスタイルを実現。バンパー下部のブラックの樹脂は他と変わらずなので、上級グレードなのであればもう少しデコラティブでも良かったような気もするが、これは少しでも効率良くリサイクルするためなのだとか。このほかフロントドアスピーカー廃止やパワーウインドウスイッチなどをセンターコンソールに集約して、ハーネスなどを減らす努力も行われている。これらの努力でライフサイクルアセスメントは直近のEVであるC40よりも25%も軽減しているという。

とはいえ“ガマン”はない。ダッシュボードに備えられるハーマンカードンが生み出すサウンドは充実している(リアドアにスピーカー、ラゲッジにウーファーは存在する)。グラスルーフ(EX30 Plus Single Motorは未設定。他のグレードは標準)はBセグメントとは思えぬ開放感が得られ、とくにリアシートに乗った時であっても窮屈な感覚はないところが嬉しいところ。

そして何より動力性能がハンパじゃない。スタンディングスタートの俊足ぶりはEVらしさ全開といった感じで、一瞬で制限速度の上限までワープする勢い。街乗りではちょっとアクセルが敏感すぎて扱いづらいところもある。

ドライブモードはスタンダード/レンジ/パフォーマンスの3種類を選べるが、トルク特性が穏やかなレンジモード(エアコンや走行性能を制限するエコモード)で十分だ。MY26より回生レベルが3段階選べるようになり、回生ナシも選択可能になってコントロール性が増したところもポイントのひとつ。また、細かなところでは前席シートの座面が伸ばされ、前側が盛り上がり、サポート性が充実しているところも嬉しい。

低重心レイアウトと引き締められた足まわりに四輪駆動の安定感

ワインディングロードで走ると、このクルマの凄さが際立った。パフォーマンスモードにするとフロントモーターのクラッチが繋がりっぱなしになり常時AWDになるのだが、その状態で駐車場から勢いよく飛び出せば、フロントタイヤがわずかにスリップしながら、まさに飛び出していくのである。「こりゃやり過ぎだろ」なんて思わず笑みが浮かぶほど。

足まわりはきちんと引き締められているし、フロアにバッテリーを敷き詰めている低重心レイアウトのためにコーナーのマナーはなかなか。これまたスポーツカー顔負けの走りを展開してしまうのだ。以前乗ったクロスカントリーは同じパワーユニット(PU)でありながら、車高が高く足まわりはユルい仕上げだったため、フル加速をするようなシーンではピッチ変化が大きく、PUがオーバースペックに感じてしまった。だが、今回のオンロード仕様はすべてがバランスされた感覚がある。

それにしてもこれが600万円台前半でしかもエコだと!? これまであった価値観が一気に吹っ飛びそうな仕上がりに、ただ驚くばかりだった。このようにベーシックモデルからトップモデルまで充実のバリエーション展開が行われたEX30のMY26は、それぞれにしっかりとしたキャラクターが備わっていたところが面白かった。このカテゴリーが気になっているのであれば、ショッピングリストのひとつに加えてみても良さそうだ。

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