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メルセデスの新フロントグリル決定!デザインコンセプト「Vision Iconic」が提案する未来とアールデコの調和

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TEXT: AMW  PHOTO: Mercedes-Benz

  • メルセデスベンツ・ビジョン・アイコニック:幅広いクロームフレーム、スモークガラスの格子構造、輪郭を強調しスリーポインテッドスター内臓の照明で伝統とデジタルモダンを融合
  • メルセデスベンツ・ビジョン・アイコニック:次期Sクラスに採用される可能性を秘めたフロントデザイン
  • メルセデスベンツ・ビジョン・アイコニック:新型GLCのグリルで先に導入された、最新のメルセデス顔
  • メルセデスベンツ・ビジョン・アイコニック:100年以上引き継がれてきた伝統的なクロームグリルを現代的に見直したデザインのグリル
  • メルセデスベンツ・ビジョン・アイコニック:メルセデス・ベンツが描く未来のラグジュアリーなライフスタイルを象徴するモデル
  • メルセデスベンツ・ビジョン・アイコニック:リアエンドではシンプルで優雅な造形と光が織りなす美観を展開
  • メルセデスベンツ・ビジョン・アイコニック:車両表面全体がソーラーパネルとなる太陽光から電力を生成するソーラーペント技術を採用
  • メルセデスベンツ・ビジョン・アイコニック:インパネ中央にツェッペリンと呼ばれる浮遊するガラス構造を配置
  • メルセデスベンツ・ビジョン・アイコニック:銀金色の真鍮製ハンドルのアクセントがモダンクラシック
  • メルセデスベンツ・ビジョン・アイコニック:深いブルーのベルベットを取り入れた贅沢で優雅なキャビン
  • メルセデスベンツ・ビジョン・アイコニック:アナログとデジタルが洗練されたキャビン
  • メルセデスベンツ・ビジョン・アイコニック:自動運転機能は都市部でレベル2を達成。レベル4の完全自動運転を見据える
  • メルセデスベンツ・ビジョン・アイコニック:上海で行われたビジョン・アイコニックのワールドプレミア
  • メルセデスベンツ・ビジョン・アイコニック:人間の脳機能を模倣するニューロモーフィック・コンピューティング技術を搭載で、自動運転を飛躍的に高める
  • メルセデスベンツ・ビジョン・アイコニック:アール・デコをイメージしたかのようなインテリアはデジタルモダンであり、クラシックな美しさを見せつける
  • メルセデスベンツ・ビジョン・アイコニック:W108、W111、600プルマンなどの伝説的モデルの直立グリルからインスピレーションを得たアイコニックグリル

レベル4自動運転の現実化と充電機能の最新技術と融合する古典的な優雅さ

メルセデス・ベンツが202510月、上海でブランドの新デザイン哲学“New Iconic Era(新たな象徴の時代)を体現するショーカー「Vision Iconic(ヴィジョン・アイコニック)」を初披露しました。Level 4自動運転、ソーラーペイント、ニューロモーフィック・コンピューティングなど最先端技術搭載の「未来のモビリティ」として、またクロームグリルとアールデコ調の内装が「動く芸術作品」として、世界の注目を集めています。

金属から光へ!100年におよぶ伝統のグリルの美的表現を大転換

メルセデス・ベンツが発表した「Vision Iconic(ヴィジョン・アイコニック)」は、ブランドの新時代を象徴するショーカーである。1930年代のクラシックカーの優雅さと、未来を見据えた最先端技術を融合し、メルセデスが描く新しい高級車のかたちを提示した。開発責任者のマルクス・シェーファー氏が「未来のモビリティを今日に具現化した」と語るように、このモデルには同社の技術と美学の粋が凝縮されている。

デザインの中心となるのはアイコニックグリルで、100年以上にわたりメルセデスの顔として親しまれてきた象徴的モチーフを、電動化時代にふさわしく見直した。W108W111、そして600プルマンといった名車の直立型グリルを現代的に解釈し、スモークガラス構造とクロームフレームを採用。周囲には輪郭照明を埋め込み、グリル全体が光の演出によって表情を変え、ボンネット上のスリーポインテッド・スターも発光し、静止していても息づくような存在感を放つ。これはメルセデスのデザイン言語が、金属から光へと進化した象徴といえる。

深みのあるハイグロスブラックの塗装を施したエクステリアは、滑らかなボディラインを際立たせる。極薄型LEDヘッドライトとの組み合わせで、視覚的な軽快感と重厚な印象を両立。アールデコを想起させる曲線と彫刻的な造形が、静かに力感を訴求する。

インテリアは移動するラウンジという新しいラグジュアリーの在り方を提示。アールデコ様式の幾何学的意匠とクラシカルな素材を融合し、アナログとデジタルの境界を消し去った空間となっている。ツェッペリンと呼ばれる中央の計器パネルは浮遊感のあるガラス構造で、内部には精緻なメカニズムと光が織りなす幻想的な演出が施される。ドアを開けると、高級クロノグラフを思わせるアナログアニメーションが起動し、伝統的な職人技と未来的なデジタル美が共鳴する。

素材にも徹底的なこだわりを散見できる。マザーオブパールの象嵌(ぞうがん)細工がドアパネルやセンター部分を飾り、銀金色の真鍮製ハンドルがアクセントを添える。床面には17世紀のストロー象嵌技法が用いられ、1920年代の扇形アールデコ模様を現代に蘇らせた。さらにディープブルーのベルベット製ベンチシートは、乗員を包み込むように設計され、空間全体がラウンジのような安らぎをもたらす。インテリアにおけるハイパーアナログの思想が、伝統と先進の調和を表現している。

制御を統合する頭脳に知性を与え車体全体で電力を生成

世界的の注目を集めているのが、メルセデスが研究開発を進めるソーラーペイントだ。太陽光発電を可能にする特殊塗料で、車体全体を発電面とする革新的な試みだ。最大11平方メートルの面積で年間12000km分の電力を生み出し、シリコンやレアアースを含まないためリサイクル性にも優れる。太陽のエネルギーを直接車両航続距離に変換するこの技術は、持続可能な電動モビリティの未来を象徴している。

話題のニューロモーフィック・コンピューティングは、人間の脳の神経構造を模倣した演算システムで、AIによる判断を従来の10倍高速かつ90%省電力化を実現。交通標識や車線の認識精度を飛躍的に向上させ、悪天候下でも安全を確保する。自動運転の中枢を担う知性として、次世代メルセデス車の方向性を示す。

運転支援技術としてはLevel2の都市走行支援を標準装備。さらに将来的にはLevel4自動運転への発展を想定している。映像や音楽を楽しみながら走行できる空間は、まさに走るラウンジとなる。

またステア・バイ・ワイヤ技術の採用によりステアリングと前輪を物理的に繋がず、電子信号で制御。滑らかな操舵感の実現とリアアクスルステアリングとの協調により、長い全長の車体でも取り回しが容易となる。

メルセデスは「個性と伝統こそが真のラグジュアリー」と語るが、Vision Iconicにはその思想がいたるところに込められている。

AMWノミカタ】

電動化が進み、パワートレインでの差別化が難しくなるなか、Vison Iconicはこれまでにない驚きの最新技術をあえてクラシカルでアナログなスタイルに包み込んで登場したコンセプトモデルだ。BEVモデルはデジタルを全面的に主張する未来的な演出が主流だが、ボタンひとつないステアリング、大きなモニターのないインテリアはむしろこのモデルの重要な個性となり未来的にも見える。

そして太陽光発電をして直接動力として使える新しい塗料のソーラーペイントや、人間の脳の神経構造を模倣した演算システムのニューロモーフィック・コンピューティングなどの驚くべき新技術は、自動車という枠にとどまらずモビリティ全体をさらに別次元へ導く画期的な発明ではないだろうか。メルセデスベンツの未来を見据えた発想力の豊かさとそれを着実に実現させる研究開発力には、ただ驚かされる。

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