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7年かけてスバル「インプレッサ」WRカーをフルレストア! プロドライブが手がけた「本物」のオーラは別格でした

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TEXT: 長尾 循(NAGAO Jun)  PHOTO: 長尾 循

慶事として楽しむ気持ちこそが個体趣味

この時代にWRCで活躍したマシンは基本的に市販車ベースなので、そのベース車両さえ手に入れればかなりリアルなレプリカを作ることもできる。というわけで、この時代のWRCマシンを愛する気合の入ったラリー・フリークが「一見すると、ほぼワークスカー」を作って楽しむことも少なくない。

しかし、こちらに展示されたE-GC8 インプレッサWRC(S5)は、1997年にプロドライブが手がけ、スバルワールドラリーチームが実戦投入したヒストリーを持つ「ホンモノ」である。

1997年にケネス・エリクソンのドライブでラリー・オーストラリア、1998年にはコリン・マクレーのドライブでスウェディッシュ・ラリーに参戦した個体そのものという。ちなみにこのふたつのラリーの結果は、残念ながらいずれもリタイヤ。その後同車はプライベーターに放出されいくつかのラリーを走った後、2013年に日本に里帰りを果たし2015年からレストアを開始。2022年には無事レストアも完了し、1998年のスウェディッシュ・ラリー当時の姿が蘇ったのである。

プロのレーサーやラリーストにとって、クルマは競技のためのツール。勝利のためにはつねに最新のツールが必要で、そこに骨董的・考古学的な意味合いは不要。役目を終えたツールは当然引退・廃棄となるわけだが、なかにはこのインプレッサWRカーのように幾多の実戦を無事に生き抜き、活躍していた当時の姿に蘇った幸運な個体も存在する。オーナーでなくとも、それを慶事として楽しむ気持ちこそが「個体趣味」。かつてプロドライブがこのマシーンを登録した際に発行された英国のレジストレーション・ナンバー「R17 WRC」が当時のままであることも嬉しい。

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  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 1962年生まれ。デザイン専門学校を卒業後、エディトリアル・デザイナーとしてバブル景気前夜の雑誌業界に潜り込む。その後クルマの模型専門誌、自動車趣味誌の編集長を経て2022年に定年退職。現在はフリーランスの編集者&ライター、さらには趣味が高じて模型誌の作例制作なども手掛ける。かつて所有していたクラシック・ミニや二輪は全て手放したが、1985年に個人売買で手に入れた中古のケーターハム・スーパーセブンだけは、40年近く経った今でも乗り続けている。
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