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業界のコニサーがオススメする20代で乗っておくべき10台のクルマとは?「ロードスター」「空冷911」それとも…

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: AMW/BMW AG/Stellantis/Porsche AG/Ferrari S.p.A.

本物を見極める目を養うための上級編

ここから先は安価に入手できる入門編的モデルから一歩進み、一般的にはかなり高価とされるクルマ。あるいは趣味的観点からしてもかなり上級向けのクルマをセレクトした。

若いからといって「サイフが軽い」とみなすのは失礼なこと。ホンモノを見極める目を養いたいと考える20代の人たちに、以下の本格派クラシックをご紹介したい。

ポルシェ911(空冷)

自動車通と呼ばれるベテラン愛好家諸氏に「人生最後のクルマは?」と尋ねると、かなりの比率で返ってくるのが「ポルシェ911」という回答。でも、とくに空冷の911は、若くて反射神経が良好なうちに、少なくとも一度は味わっておいたほうが良いかとも思われる1台でもある。

本当はナロー時代が望ましいと言いたいところだが、930シリーズや964シリーズでも構わない。ただ、できることならば「ポルシェシンクロ」を採用していた1986年モデル以前の個体を選び、緻密かつ大胆な操作で「乗り手がクルマに合わせる」時代の空冷ポルシェを全身で体感してほしいと思うのだ。

ホンダS600/S800

日本人の若きエンスージアスト候補生が味わっておくべき国産クラシックカーとして、もっともお勧めしたいのが「ホンダ・エス」。開祖「S500」は入手が極めて困難だが、比較的見つけやすい「S600」も「S800」もそれぞれ別の個性を持ち、それぞれが魅力的。とくに極上のエンジンフィールは、筆者の拙い表現力では到底説明できない。

60年前、欧州のエンスージアストを初めて瞠目させた国産車を、日本の若きエンスーにはぜひお薦めしたいのだ。

アルピーヌ ルノーA110

先般AMWの「旧車ソムリエ」コーナーにおいて、素晴らしいA110-1600Sを取材させていただいた際にオーナーさんから伺ったのは、まだ30代になったばかりのころに入手して以来、34年間も大切に愛用してきた……というお話。スポーツカー史上まれに見る傑作と、それだけの長い時を重ねることができていることが、堪らなく羨ましかったのだ。

もちろんアルピーヌ ルノーA110は、この時代のスポーツカーとしては出色の出来。クルマと一体となってコーナーを駆け抜ける感触は、若いうちに体験しておいたほうが良い気がする。

フェラーリ308GTB/GTS/ディーノ308GT4

対象となる20代はごく少ないと思われるが「いずれはクラシック・スーパーカーの世界に足を踏み入れたい」と考える若い人もいるかもしれない。そんな野心家な若きエンスーにお勧めしたいのは、キャブレター時代のV8フェラーリである。

「308GTB/GTS」はやや高価だけど、4座席のディーノ/フェラーリ「308GT4」ならば若干リーズナブル。購入後のサービス体制もランボルギーニや、同じフェラーリのV12モデルよりは若干とっつきやすい。にもかかわらず、ホンモノのクラシック・スーパーカーにして、真正のクラシック・スポーツカーでもあることには太鼓判を押したい。

ステアリングやクラッチなどはかなり重めのセットで、大胆かつ繊細な操作が要求される。でも、重くて渋いスロットルを踏み込んで4基のキャブレターに巧くガソリンを送り込み、最上の吹け上がり感が味わえるようになったころには、ランボルギーニ「ミウラ」やフェラーリ「デイトナ」だって乗りこなせるスキルを得ていることだろう。

オースティン セブン

自身が大の戦前車好きである筆者にとって、じつは丸1世紀も前に誕生したこのモデルこそが「10選」の大本命。

「クラッシュボックス」と呼ばれ、シフトアップ&ダウンの双方でダブルクラッチを要求する完全ノンシンクロのトランスミッションも、エンジン始動時の点火時期や燃圧の調整なども、すべて上級のヴィンテージカーたちとまったく変わらない。

セブンを運転できるようになったなら、W.O.時代のベントレーでもブガッティでも操ることができる。また、このクルマで油まみれの「オイリーボーイ」となったころには、エンジンのオーバーホールを自宅のリビングで済ますくらいの整備スキルも、きっと身に付けていることだろう。

大丈夫。100年前のセブンであっても、パーツに関する心配は無用なのだ。

武田公実ノミカタ

内燃機関を搭載した自動車の行く末さえも不透明になってしまっているこのご時世で、しかもこれからクラシックカーの世界の門を叩こうなどという奇特な20歳代が、果たして存在するか否かは意見の分かれるところだろう。

でも、真にクラシックカーに憧れる若者がいるなら、ほんの少しの勇気を出して、階段を上ってみてほしいと切に願う。本当に好きになれたならば、クラシックカーは生涯にわたって続けられる大人の趣味なのだ。

まずは最初の愛車とともにさまざまなイベントなどに参加し、同好の士を見つける。あるいは、自動車趣味の指針となるメンテナンス工場と知り合うにも、まずはとっかかりとなる愛車があった方が望ましい。それは間違いのない、真理と思われるのである。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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